第零章

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フェンリル《…………はぁ…》 とうとうフェンリルはため息をついた。 戒人「ため息つくとは失礼だな」 フェンリル《知らん。まぁ恐らく貴様は異世界から来たので間違いないだろう。我等魔物の言葉を理解し、更に魔物を知らないんだからな》 フェンリルはそう決めつけ俺を見てきた。 フェンリル《それで?貴様、名は?》 戒人「上條 戒人だ」 フェンリル《戒人か。よし戒人着いて来い》 そう言うとフェンリルは俺に背を向け歩きだした。 戒人「ちょっ………待てよ!!」 俺はフェンリルの後を追いかけ隣を歩きだした。 歩いている内に俺とフェンリルは徐々に打ち解け、この世界の様々な常識を教えてもらった。 この世界の名前、魔界に神界、神や魔王、魔法や使い魔、ギルドや国。色々な事を聞いた。 普通の人間ならパニクるだろうが、最初から疑わず常識を捨てていれば自然に飲み込む事が出来た。 暫く歩いていると洞窟に着いた。フェンリルはそのまま洞窟に入って行ったので俺も着いて洞窟に入って行った。 洞窟は存外広く明るかった。10分程歩くと広い空間に出て来た。 そこにはフェンリルと同じもう一頭のフェンリルが座っていた。
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