9時から5時まで

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「小川サン、今夜の男の人っていくつくらいですか?  あたし、実は……」 「その件もめぐみちゃんから聞いてる。 大丈夫、今夜はわたしがちゃんとエスコートするから」 バブリー小川の瞳が、 見たことないくらいやさしい色に染まる。 あたし、実は。 実は、 年上の男の人がこわい。 正確に言えば、40代後半のひと。 小学校4年生のとき、マンションのエレベーターの中で、そのくらいの男の人にいたずらされかけたことがあって、それがトラウマになってるっぽい。 いたずらって言ってもヘビィなものじゃなくて、服の上から胸を触られただけなんだけど、 今だからこそ「胸を触られただけなんだ」なんて言えるわけで、 そのときはほんとうに、心底、こわかった。
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