日常

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「はぁ~…。」 俺は溜め息をつきながら教室の窓から空を見上げる。 俺の名前は神谷 (かみやそら)。 自分で言うのもアレだか容姿端麗・頭脳明晰・運動神経抜群。特に剣道は日本一という実績があり、世界でも有数の大富豪である神谷財閥の1人息子でもある。 年は16歳で高校1年だ。 周りから見たら俺ほど恵まれる奴はいないと思うだろう。 てか俺もそう思うし!! けどこんな俺にも悩みがある。 それは人生がとてつもなくつまらないという事だ。 他の人から見れば贅沢な金持ちの悩みなのかもしれないが、俺からしてみれば大きな問題だ。 何でもいい…。 俺を満足させるだけの何か…非現実的な事が起こらないかなぁ~っと、空を見上げながら俺は思う。 「「「お帰りなさいませ!空様!」」」 総勢100人はいるメイド達に挨拶をされ、家に帰ってきたばかりの俺は早速自分の部屋のベッドへダイブした。 (あぁぁぁぁ~!!つまんなさ過ぎる!) 俺は心の中でそう叫びながらいつの間にか重いまぶたをおろしていた。 「ここはどこだ!?」 真っ白な空間。 何故だか俺は浮いている。 俺以外は誰もいないみたいだった…。 「教えてほしいか?」 驚いてサッと後ろに振り向くとそこには小学生位の男の子がいた。 「キミは誰かな!?」 俺は脅かさないように優しく問いかけた。 「余か?名なら持ち合わせておらぬが人間が余を呼ぶときは神と呼んでおったな」 「神!?」 「なんじゃ!驚いとる割には嬉しそうじゃな!」 俺はニヤけている顔を元に戻し 「ここはどこだ?」 っと聞いた。 「貴様の精神の中じゃ!」 「何故神が俺の精神の中にいるんだ!?」 「何故って貴様が暇だとかつまらないとかほざくから助けに来てやったのじゃ」 「何!?!?!?本当なら早く面白い事でも起こしてくれ!」 「まぁそう焦るな。言っとくが今の暮らしには戻れないぞ!?」 「何の未練もない!」 「そうか…。明日また来る。覚悟しておけ」
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