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ー数分後ー
「ふぅ~。やっと片づいたか。それにしても合気道かじってて良かったな!疲れもあんまないし」
「いや~!凄まじいですな!」
声の方へ振り向くと強面のおっさんが喋りながら俺の方にやって来た。
「その若さにしてその腕っぷしの強さ!どうです!?私とも手合わせ願えませんかな?」
(かなり強そうなおっさんだな!無駄に戦っても体力の無駄使いなだけだしな……戦わないに越したことはないな!)
「止めておきましょう。とてもかないそうにはありませんので。」
「そうですか…。お名前は何と申すのですか?」
「神谷 空と申します。今は織田家へ仕官したく尾張へやって来た浪人でございます。」
「ははははははっ!そうでしたか!」
(笑い過ぎだろ!!)
「でも何故わざわざ織田家へ?」
「と申されますと?」
「ご存知とは思いますが織田家は今川家上洛の道中にあり、いつ攻められてもおかしくない状態あります。その織田家に仕官というのは死にに行くようなものです」
「それは私は織田家が今川家に勝つと予想しているからです。」
「…………。」
(あれ…今度は笑わないのか?)
「空殿!やはり私と手合わせしましょう。しかしタダとはいいません。私に勝つことが出来たなら織田家への仕官の件を叶えて差し上げましょう」
「貴方様にそんな権限がおありで?」
とか言いつつ内心このおっさんの言葉に驚きを隠せなかった。
「最終的に決めるのは大殿ですが私が推薦したらたぶん大丈夫でしょう」
(ってことは信長の家臣なのか…)
「お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「これは失礼。私は柴田 勝家と申します」
(な、なにぃぃぃぃぃ!!?)
これには空も驚いた。
目の前にいる人物こそ織田家の重鎮、柴田勝家だったのだから。
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