1619人が本棚に入れています
本棚に追加
後ろから聞こえてくるゆっくりとした足音、それを俺は黙って待ち受ける
一歩一歩近付いてくる幸福の足音
お父さん「じゃあ、陣君。娘を…よろしく頼むね」
お父さんは繋いでいた彼女の手を俺に渡す
陣「…はい」
彼女は、俺の隣へと歩を進め
???「…よろしく、お願いします」
陣「…こちらこそ」
神父「では、はじめます」
陣「………」
神父「汝、陣は、真心からこの――を、妻とすることを誓いますか?」
陣「誓います」
神父「汝、――は、真心からこの陣を、夫とすることを誓いますか?」
???「誓います」
神父「あなた達は、この結婚が、神の御旨(みむね)によることを信じますか?」
陣「…それは確信できないな」
???「え?ちょっと、陣くん…?」
陣「だってこれは、神様なんかじゃなくて、俺とコイツで決めた結婚だぜ?」
???「……っ」
誰に決められたワケじゃない
誰に遮(さえぎ)られるワケでもない
この結婚は、俺達が決めたもの
神父「汝、陣は、神の教えに従い、健やかなる時も病める時も妻を愛し、逆境にも負けず、共に歩むことを誓いますか?」
陣「誓います」
神父「汝、――は、神の教えに従い、健やかなる時も病める時も夫を愛し、逆境にも負けず、共に歩むことを誓いますか?」
???「神と証人の前に、謹んで誓約いたします」
神父「それでは、指輪の交換を」
その言葉に従い、俺達は指輪を交換する
神父「それでは――」
谷口「キスしろー!陣」
アハハハ!
周りから笑いが沸き上がる
???「あはは…谷口くん変わってないなぁ」
陣「アイツは変わることなんかないさ」
???「それにしても…みんなが見てる前でって…恥ずかしいね」
陣「今更何言ってんだ」
???「意地悪だよ」
陣「いい加減覚悟を決めろって」
???「ま、まだ心の準備が…」
谷口「はやくチューしろ!」
陣「ほら、谷口もああ言ってるし」
???「そんなことを言われても………あ」
強引に彼女の身体を引き寄せ、キスをする
唇に生暖かい感触が触わった
谷口「貸せっ!よしご結婚…」
全員「おめでとうございまーす!!」
青天の空に、みんなの声が響き渡る
仲間達の
家族達の
学校の生徒の
祝福の声が、響き渡る
最初のコメントを投稿しよう!