プロローグ

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一言で言うと、不安だった。 凛は、たかが1歳しか違わないって笑ったけれど、俺にとっては、されど1歳って感じで、その壁は高くそびえ立っていて―― ねぇ、今何してる? 俺は定期試験の勉強をしているよ。 この試験が良かったら、大学の推薦が貰えるんだ。 そうしたら、念願の文学の勉強が出来る様になるんだよ。 ……でもね、俺、凛の事で頭がいっぱいであまり勉強が進まないんだ。 凛から送られてきた、このポストカード。 俺はこんなにも寂しくて、不安で、凛に逢って話したりしたいのに…何で凛は一言でまとめられるの? 空の絵はとても綺麗だったけれど、どうせなら、凛の写真が欲しかったよ。 『繋がってるよ』 雲と雲の間に書いてある凛の丸い字は、久しぶりに見たけれど―― ねぇ、俺達はまだ、繋がっているの?
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