卒業式なんて嫌いだ

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在校生は人数の関係上、式に参加する事が出来ないため、卒業生が必ず通る、玄関に集まっていた。 俺は人が集まっている所から離れ、校門の近くで待っていた。 俺の高校は全寮制だから、学校でわざわざ色紙やら花束を渡さなくても、寮で渡す事が出来るのだが、行事柄か、なんとしても学校で渡したいという人が多い。 ただ手ぶらでひたすら凛だけを待っている俺からしたら、花束を沢山持ちすぎて前が見えない奴等を見ると、笑いがこみ上げてしまう。 笑うのを堪えるために手を口元へと持っていった時、玄関前にいた生徒立場ざわめきだした。 きっと、式が終わり卒業生が玄関へと向かって来たからだろう。 俺は玄関前で待っていた奴等みたいに、周りをキョロキョロして目当ての先輩方を探したりしなかった。 本当はしたかったけど、そんなかっこ悪い姿を凛に見せられない。 だけど、顔は余裕の色をだしながら、内心は――と言うより、目は――必死で凛の姿を探していた。
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