卒業式なんて嫌いだ

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そして、人数が多すぎてなかなか凛を見つけ出せずにいた。 くそっ。今日の凛の髪型何だっけ?……そうだ!ストレートだ!ストレー…… 「ごほん。和人君は誰を探してるのかな?」 「うわぁぁっ」 突然、横から話しかけられて、心臓が飛び出るかと思うくらいびっくりした。 慌てて声がした方を向くと、そこには黒く長いストレートの凛がいた。 凛は俺がびっくりした事が面白かったのか、クスクスと笑った。 「ごめんってー。あまりにも真剣に私のこと探してるから面白くなっちゃって」 「そりゃ、真剣にもなるよ。だって凛、頭にでっかいリボンつけてないから全然わかんなかったし」 俺は自分の頭の上に指でリボンを描いた。 「それは愛が足りないのよ。それに私、リボンなんて柄じゃないでしょ」 「えー?こんなに愛してるのに」 しょぼんとワザと肩を落として様子を伺うと、ほら行くよと言わんばかりに凛は俺の手を引っ張って校門を出た。
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