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「うるさいよ。ひよこみたいな頭の人に言われたくない!」
凛はそう言って、フイと横を向いた。
ひよこってね、俺金髪だけどひよこって……あんまりだよ。
それからは沈黙で、黙々と歩き続けて、ひよこ公園に到着した。
ひよこ公園は俺にとって、とても大切な場所だった。
なんでって?
だって、初めて凛と会ったのもここだったから。
ちなみに、告白も初キスもこの公園だった。
「なんかあっけないよね」
「ん?何が?」
凛は俺の手を離し、ベンチに座って、公園を懐かしむように見渡していた。
「ここに来るとね、初めて会った日を思い出すの。他にも色々この公園には思い出があるのに、何故か初めて会った日だけを思い出すの。」
俺の心臓が暴れ出す。
まさか、俺がいつも思っていた事を、凛も思っていたなんて。
「俺もだよ」
そう言わずにはいられなかった。
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