302人が本棚に入れています
本棚に追加
店の外に出ると
まだ 初夏なのに薄着をしていた あたしは
ブルルッ
と 身震いした。
「・・・ックシュン!!」
「クシュッ!」
ほぼ同時に 少し 離れた後方で クシャミが聞こえた。
無意識に振り返ると
営業マン風のグループの中で ひときわ背が高い 男性が 大きな身体を 折り曲げて クシャミを繰り返していた。
――あの人、一人だけ 半袖ポロ着て 気が早いから風邪引いたんじゃないのかな?
なんか どこかで会ってた?
気のせい?
━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━
━━━━━━━━
━━━━━━━
━━━━━━
「り~お~っ!
早く~!
佑一、角のコンビニの前で路駐して待たせてる。」
いつの間にか、10mぐらい先を 早足で歩いている紅未子が
右手を口元に当て、左手でオイデ、オイデと手招きしていた。
「ごめん、ごめん!
今行く~!」
.
最初のコメントを投稿しよう!