戸惑い

5/6
前へ
/351ページ
次へ
店の外に出ると まだ 初夏なのに薄着をしていた あたしは ブルルッ と 身震いした。 「・・・ックシュン!!」 「クシュッ!」 ほぼ同時に 少し 離れた後方で クシャミが聞こえた。 無意識に振り返ると 営業マン風のグループの中で ひときわ背が高い 男性が 大きな身体を 折り曲げて クシャミを繰り返していた。 ――あの人、一人だけ 半袖ポロ着て 気が早いから風邪引いたんじゃないのかな? なんか どこかで会ってた? 気のせい? ━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━ ━━━━━━━━ ━━━━━━━ ━━━━━━ 「り~お~っ! 早く~! 佑一、角のコンビニの前で路駐して待たせてる。」 いつの間にか、10mぐらい先を 早足で歩いている紅未子が 右手を口元に当て、左手でオイデ、オイデと手招きしていた。 「ごめん、ごめん! 今行く~!」 .
/351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

302人が本棚に入れています
本棚に追加