黄昏時は大人に変わる

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多分 速水クンを愛していたというよりは 速水クンを好きな自分を 楽しんでいたような感じだった。 そう、いわゆる 『恋に恋する乙女』――だったように思う。 速水くんのどこが好きかと問われると “雰囲気”“ルックス”“ファッション”と“優しさ”と答えたと思う。唯一その人の持つ内面的なもので挙げた“優しさ”は私だけに、ではなくみんなに無料で出されるサービスとしての部分だった。 それでも好きなことには変わりなかったけど。 ――――「ねぇ、莉緒は いつ ハヤミーに告る?」 いつも一緒に BARに通う 同じゼミの麻衣子が 唐突に聞いてきた。
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