≪さくらσさん編≫

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僕はそれを見切って避けた……と言いたいが現実では流石に自殺行為なので大きく横に跳んで避けた。 「あぶな!! 本気と書いてマジと読む位マジで打ってきた!!」 そして立て続けに5発。 またも大きく跳んで避ける。 「逃げ足の速いやっちゃな」 「殺す気か!!」 「あんたがうちを殺しに来たんやろ」 ごもっともです。 さくらさんは引き金を引いたが、弾切れなのか、カチカチと悲しい音しか出てこない。 チャンス!! 「わははは、いまじゃー」 さくらさんまで走り斬ろうとしたが、懐から果物ナイフを取り出した。 ヤバイ!! 刺される!! 刺されようとした時、部屋に誰かが入ってきた。 「さくらさん、銃声がしましたけど、何かあったんですか?」 瞬時にその隊員へと目標を変える。 僕を認識出来なくなったさくらさんのナイフが僕の身体を通り過ぎていく。 「あ、いや、何でもあらへん」 「そうですか。それなら良かったのですが」 隊員は部屋を出て行く。 視界から目標を失った僕は、能力が切れさくらさんにも認識出来るようになった。 「ほほう、月行も能力者だったのか」 「月行も?」 「あれ? 言ってなかったっけ? ワイも能力者やで」 「なんやってー!!」 ムリムリムリ!! 僕はさくらさんが一般人なのを前提にこの計画を進めていたのに。 勝てるわけないだろう。 いや、まだ勝機はある。 さくらさんの能力次第だ。
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