ねぇ

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A「なるほど、この世の全てのことは正しいか分からないという訳か。だが同時にそれは正しいかも知れない可能性を孕んでいる」 B「勿論。地球は丸い、とかなら多分正しいでしょうね。けれども先のα君とβ君の争い事のような、道徳的見解を要する正誤判断は不可能」 A「結局人間は人間にとって都合の良い方を正しいと判断しているわけだな」 B「そう、サルの立場からすれば、人間が正しいと判断したことは誤っているかもしれない。サルが、人間など絶滅してしまえ、と思っていたら尚更」 A「こうして国単位でも自国の都合の良いことを正しいと判断していたのか。だから戦争はなくならない。俺の主観の考えだが、戦争はいずれ必ず起こる」 B「同感。人間が十人十色である以上、戦争を起こさない平和な世の中なんていずれ滅びる。人間はそれほどまでに自己をコントロールできない存在なの。主観なんてすぐ変わる。だから正しいこともすぐ変わる。本来正しさに主観を用いてはならないのに、それが不可能だから客観という名の主観を使う。客観が主観という理論も本当は客観的に見ると間違ってるかも知れないけど」
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