プロローグ

3/10
前へ
/45ページ
次へ
私が今向かっている場所には恐らく…ある人物。一度会っただけの男の人、向こうは覚えているかもわからないし、顔も見たことは無いのですが。 何故その人と会いたいのか……その理由は、多少時間を遡ります。 ―――――― 「おう?何だ嬢ちゃん。一人か?」 狭い路地。まだ冬に近い気候でありながら、じめっとした薄暗いその空間で私に話しかけてきたのは、明らかにがらの悪そうな大柄の男性。 真昼の日差しで明るく賑わっている大通りから外れたこの路地は、妙に静かで、その酒の臭いを漂わせている男だけが音源となっていました。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加