プロローグ

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いつもなら無視、または適当に流していましたが…まぁ、あれです。 若き故の過ちというか、小さき故の過ちというか。まぁ、とりあえず自他共に認めるちびの私には、その男の「嬢ちゃん」発言が非常に引っかかったんです。端的に言うなら、まぁ、イラッときたんです。 「お嬢ちゃんじゃないです。昼間からお酒なんか飲んで、臭いますよ?」 「あぁん?」 先程まで上機嫌だった男は、見るからに不機嫌といった様に表情を豹変させます。 これだから嫌なんですよね。お酒飲んで自分の気分の赴くままに振る舞って…酒飲みって。 私はそんなことを考えつつ、その男を無視して隣を通り抜けようとしました。 「どぉこ行こうとしてんだ?」 視界の端に映った男の手。まずいと思ったときにはもう私は脚を捕まれ、引っ張り上げられていました。
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