No.Ⅰ

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「えへあへあっ!幼女がぁっ!宇宙人の幼女が!わいをこんなにしてしまうんやで!さぁ、もっと!もっと!その小さいお御足でなじってもらおうかぁ!」 人間性が崩壊しかけた駄目人間は宇宙人少女の“足”にむかって突進を仕掛けた 「うなぁっ!?」 本気で嫌がった少女は右に全力で体をずらす。結果、まっすぐに突進していくだけの明人は瑠衣の体を空ぶってしまう。そして 「あれ?」 別の女子生徒に抱きつく結果になってしまった 「ああ、すいません。人違いしてしまいました」 一瞬だけ正常にもどる標的を逃した明人は、常識的に一言謝りいれて女子生徒から離れようとした。が 「すみません………。その手を離して」 離そうとするまえに右手と左手を捻られ 「くれませんか?」 次の瞬間、明人はふんわりと広がる金髪と翡翠の瞳、やけに眩しい笑顔をその脳裏に焼き付けるとともに何故か宙を舞っていた。それは明人本人も気づかないほど早くに繰り出された投げ技、すなわち“背負い投げ”であった 「がふっ!」 しばらくの無重力のあとは当然ながら重力にしたがって下に落ちる。おもいっきり背中から落ちた体は節々に痛みを感じさせた 「あれ~~~?痛い。体が重いよ?」 思わず語尾が疑問系になるほどに事の次第を把握できない明人 その肩に背後から手がかけられる 「おい」 ドスをきかせた低い声。振り向くと、そこには何やら怖い顔をしたお兄さんが立っていた。余計に状況が分からなくなる明人 「え?あの?なんで………しょうか?えへへ」 少しへつらい気味にそういうと怖い顔のお兄さんは自分の後頭部を指差して 「………この俺にいきなり背後から仕掛けてくるとは大した度胸だな?あん?」 とか目をかっと見開いて詰め寄ってくる 「えっ………と」 だらだらと嫌な汗が伝う
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