第一章

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「はぁーっ…さむっ。」 11月中旬、まだ雪の降らない時期。 でも雪降らなくても冬だよな。 「寒くて凍え死ぬ!!」 バスを待つ僕の隣で未来がガタガタ震えている。 今の時刻は18時…。 日も当たらず、寒いのは当たり前だ。 「大丈夫?もうすぐバス来るから頑張って。」 僕は未来と9月に付き合い始めたばっかりだ。 僕にとって未来は初カノで、冷えた未来の手を握るなんて、恥ずかしくてできない。 「………。」 未来の視線が、僕と僕の手を捕らえる。 …わかるよ、未来の考えてること。 僕に望んでいること。 でも、照れ屋な僕にはできなくて…。 .
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