二十二. 悪霊との対決

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携帯の表示には 「11」 長距離通話は、 僕の命を奪っていく・・ 気が遠くなる。 意識が薄らいでいく中、 僕は見た。 神なんて信じない性分だったけれど、 最後の最後で人間がすがるのは神なのだ。 眩い(まばゆい)光を放ちながら、 「それ」はやってきた。   十一面観世音菩薩 その姿があった・・ そのきらびやかな出で立ちは、 この世の美を集約したような姿だった。 彼女のお寺で見た観音像そのものの姿・・  カッ―――――――!  「うわ ―――――― !」 全身から放たれた、眩しい(まぶしい)光に包まれながら、 悪霊は、もがく間も無く、瞬く間に消えていった・・・ ・・全ては終わった・・ そこで、僕の記憶も途絶えた・・・
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