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二十三. 戦いの果てに・・・
人は死ぬ間際に、それまでに経験したことが走馬灯のように流れると言う。
お母さんとの思い出が次々に頭をよぎる。
懐かしい・・。
僕も、これから母の元へ行くのか・・
そう思うと死ぬのなんて怖くはない。
記憶は、幼い日々の出来事までさかのぼる。
あの公園。
謎の少女と過ごした病院の隣の公園。
女の子と一緒に遊んでいる。
あの少女との記憶だろうか?
いや、
ちょっと違う。
僕も小さい。
幼稚園くらい・・
年中の頃なのだろうか?
一緒に遊んでいる子は誰?
活発な女の子らしい。
目がくりっとした長い髪の・・
可愛らしい・・女の子・・・
二人の会話が聞こえてくる。
「ミナね~。
ヒロちゃんのお嫁さんになりたいな~」
「え~?オレ~?」
ちょっと、困ったような顔をしていたが、女の子の顔を見て笑いながら・・
「うん、いいよ」
「約束ね~」
子供同士、小さな指を切る。
ミナって・・・
ひょっとして、彼女なのか?
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