二十三. 戦いの果てに・・・

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彼女の記憶がオーバーラップする・・ 「私、自分がいつ死ぬのか分るんだ・・」 「ゴメン、守ってあげられなかった」 「お母さん、こんな私でも受け入れてくれるかな~」 「生きてるうちに楽しまなきゃね!」 「ヒロちゃんのお嫁さんになれるかな~」 そうなのか・・ これでみんな繋(つな)がった・・・ 謎でも何でも無かった・・・ 彼女はずっと、僕との結婚を夢見てひたすら努力をしてきたのだ。 それも血のにじむような・・・ 何度かそれを気づかせるキーワードを投げ続けてきた彼女・・ それは霊がこの世に生きる者たちに送り続けるメッセージを、 霊感の無い凡人が気づかずに、ただ単に通り過ぎているかのよう・・ メッセージは心を研ぎ澄ませば自ずと見えてくるもの・・ 心にバリアーを張っているのは自分自身なのかも知れない。   「霊感が全く無い」 なんて自分に言い聞かせて自分で納得していただけなのだ。 閉ざした心は、小さなメッセージさえも見逃してしまう・・ でも、気づいたときにはもう遅い。 僕は彼女に何もしてあげられなかった あやまるのは僕の方・・
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