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空を見上げながら、母の事を考えていた・・
その時
「何、ぼーっとしてるんだ?」
振り向くと、小学校からの友人達。
僕に寄り添ってきた。
「みんな・・」
皆、一緒の高校に通っている。
「雨宮センセってきれいだよな~」
「いいよな~、あんなきれいな人がお母さんなんてな~」
「ふふ・・いいだろ~?覗きもやりほ~だいだぜ!」
「こいつめ~」
お互いに、冗談も言える仲になっている。
仲間がいるのは楽しい。
あの事件以来、僕はすっかり垢抜けたと言うか、ふっきれた感じがする。
チャラララ・チャラララ
携帯電話が鳴っている。
メールのようだ。
「トワイライト・ゾーンかよ」
「また、悪趣味な待ち受けだなー」
友達が見守る前で、おもむろに取り出す携帯電話・・
あの事件の後、「霊感ケータイ」は僕が譲り受けた。
携帯電話のメールの文面をチラッと見て、ポケットに戻す。
にやっと笑う僕を見て、友達も何やら興味ありそうな感じ・・
「メールかよ・・」
「まあな・・」
「彼女か?」
「メル友ってところかな・・」
メールなら、それほど通話料金(生体エネルギー)もかからないらしいことが発覚し、寂しい時やくじけそうになった時、霊界とメールを取り合っている。
他の人にはとうてい理解できまい・・
死者とコミュニケーションが出来る・・
こんなに便利なアイテムは、そこいらには無いのだから・・
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