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ちらっと後ろを向いた友人がささやく。
「お、かわいい彼女のお出ましだぜ~」
「悪霊は退散・・
じゃあ、また後でな・・
バハハーイ」
「あ・・待てよ!」
すたすたと足早に去っていく二人・・
置いて行かれる僕に近づく女の子の気配・・
「ヒロシくん、おはよう」
「おはよう・・」
振り向くと、微笑む彼女の姿があった。
メガネもポニーテールでもない・・
素顔のままの彼女のかわいい姿。
いや、中学校の時よりも数段「美人」になっている。
実は、彼女も助かっていたのだ。
瀕死の状態だった彼女も、やはり僕と一緒に病院で意識を取り戻した。
奇跡と言ってもいいだろう。
僕は観音様を召喚するために、命を使い果たしたし、
彼女は、悪霊の攻撃を受け、致命傷に近いダメージを負った・・
そんな僕たちが助かったのも、
十一面観世音菩薩のご加護としか、考えられないのだった。
そして、今は正式にカレシ、カノジョの関係になっている。
(どっちがコクったでしょう?それは謎のままにしておこう・・)
彼女には少しばかり寿命が残っている。
いつまで生きられるかも分からない。
僕と結婚は出来ないかも知れないけれど、
子供も生めないかも知れないけれど、
この世に生きている間、精一杯生きることを僕に誓ってくれた。
僕も、
一緒に居る時間・・
掛け替えのない彼女と過ごす時間・・・
一日一日、一秒一秒を大切に過ごすことを決めた。
二人の間に、これからどんな事が起ころうとも、
後悔をしない様に、精一杯生きる・・
二人で誓い合ったのだ。
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