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めいっこはパタパタと走り何かを取りに行ってまた戻って来て
『はい、これとんちゃんの歯と毛が入ってるキーホルダ。みんなに一個ずつ作って貰って色も其々違うの。みんなの顔を思い浮かべて私が選んだんだよ。はい、緑色。』
それを貰った瞬間何とも言えない気持ちになりました。
『来たら渡そうと思ってずっと待ってたの。とんちゃんもテレビの前でずっと待ってたよ。ほら、見て。』
テレビの前をみると写真といつも着けていた首輪、そしてドックフードが飾ってありました。
そこはとんちゃんの指定席でいつも日向ぼっこしたりみんなが食事している時にもクッションの上で寝ていました。
『最後とんちゃん苦しまなかったよ。』
『でも今は寂しいけど寂しいっていうととんちゃん向こうにいけないからありがとうって言うの。』
めいっこはあどけなく私に向かっていいました。
『形見だから大事にしてちゃんと身につけて。私はランドセルにつけてる。』
これ以上居たら涙が出てしまうと思い明日また来るねと言い残してその場をさりました。
帰りの電車の中で形見のキーホルダを開けて中を見ようとした時、とんきちの匂いが…
そして歯と毛を取り出し改めて最後は行かなくてごめんねとありがとうをいいました。
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