《いかさま師》ひさ子

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じゃらじゃらと牌を掻き回しはじめた 麻雀は基本、同一の二牌のトイツと、三牌のメンツを五つ作ることを競って得点を奪い合うゲームだ ひさ子「リーチ」 そう言ってひさ子先輩が千点棒を卓に投げる これは残り一牌手が完成しますよという状態だ 藤巻「いっくぜぇ・・・・・通れっ!」 ひさ子「ロン。一発、タンピン、おっと裏が乗って、満貫確定」 速攻である この時すでに私は気づいてしまった ひさ子先輩の手牌が少ないことに 本来十三枚なければならないのに、十枚しかない 三枚を手の中に握り込み、メンツをひとつ減らすことで手の完成を早くしているのだ 藤巻「ちっ・・・・・ほらよっ」 藤巻先輩は馬鹿なので気づきません 大人しく点棒を支払います ひとつメンツを減らすことは、ものすごく効果的なのです 誰よりも手作りが早くなる ひさ子「リーチ。はい、ロン。タンピン、裏が乗って、あー満貫」
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