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そうしてその日、いつものように1人で歩いていた私は思わずその街のチンピラの縄張りに足を踏み入れてしまった
「よぉっ!!ここが俺達の縄張りだって知ってて入ったのか?」
「あぁ…それは悪い。すぐに去るよ」
「ただで帰す訳にはいかねぇな」
(チッ!!面倒だな……)
そんな茶番も長くは続かず数分も経たないうちに終わった
これも長く旅を続けている上での知恵だろうか
(口ほどにもないな……)
そして何事もなかったかのように宿に帰ってくるとちょうど部屋の前で龍鬼に出くわした
「あっ龍鬼。お前今帰ったのか?」
「あぁ。仕事も夜からだからな。しかしお前…もう少し女らしい格好したら色気も出てくるんじゃないか?」
「ほっとけ」
お約束のように部屋の前でそんないつものくだらない会話をした
気のあう奴とこんな会話をしている時が一番落ち着けた
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