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再び夜空を見上げる。刹那、空気が揺れた。
「あっ…」
星が、流れる。今だ!
「ずっと滅花と一緒にいられますように!」
「ずっとそうちゃんと一緒にいられますように!」
流れ星の尾が消えていく。
顔を見合わせる双子。
いつか失ってしまったら。それが怖かった。そのうちに自分より好きな人ができて、双子の片割れのことなんて忘れてしまうんじゃないか。創花はそれが不安だったのだ。でも、滅花も同じことを…?
静が笑う。
「あはは、君達なら大丈夫!」
静の言葉で、不安と困惑が安心に変わる。双子は満面の笑みを浮かべた。
「 」
滅花が創花に抱き着いて何か言う。創花はしっかり受け止めて幸せそうに笑う。
その後も、星は降り続けた。
『髪飾りがほしい』
『早く大人になりたい』
『走るのが速くなりたい』
『面白いいたずらがしたい』
子どもの願望は尽きない。
呆れてきた頃、静はふと二人が静かになったことに気がついた。
「おやおや」
あどけない双子は、寝息をたてていた。手を繋いで幸せそうに。
ふぅ、と息をつき、静は呟く。
「この子達を部屋まで送り届けるのが、私の仕事でしょうね」
‡end‡
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