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違ったのか……。なら何なんだ?
「……ただ単に、あそこのメイド服が欲しかっただけだよ」
「え゛。……野山、おま……そんな趣味が!?」
ショックだった。まともだと思っていた奴が、まさか女子にコスプレさせるのが好きなちょい変態の入った野郎だったなんて。
野山は俺の言葉を聞いて、何か抗議したげな顔をしてたけど、結局何も言わなかった。
「野山の妹に着せるの?」
「違う。追及するな」
久保田が聞いたが、答えてくれなかったので、久保田が『まぁそう言わず』と腕を掴む。
俺とも良くやっていることだ。ちなみに俺の場合、奴の腕を捻り上げるというのがこの後に入る。
けど、野山はそうじゃなくて、顔を強張らせた。
「っっっ!!」
バシッと思い切り手を払い、久保田から距離を取る。
手を振り払われた久保田もそうだが、振り払った野山はそれ以上にびっくりして、自分の手を見ていた。
「……ぁ……わりィ……」
「……いや……そんなに嫌だったのに掴んで、俺こそごめん……」
「いや、違うんだ。……あんたが悪いんじゃねェ。……悪いのは……いや。……わりィのは、俺だ」
「いや、あのー?」
イマイチ言葉が訳の分からないものになっている。
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