3人が本棚に入れています
本棚に追加
久保田は何故か、俺が野山に襲われるって心配をしてたけど、これは逆に俺が野山を襲いそうだ。
嬉しそうな顔をして、野山が語るのはひたすら音楽と音ゲー。
「やっぱサンホラはRomanだよなー。クロセカとかもいいけど、やっぱストーリーを掘り下げた時の感動が1番っつーか……。あ、でもやっぱMoira(ミラ)かな?双子が……双子が切な過ぎる……」
……うん。さっっっっぱり分かりません。できればこういう話は、サークルに入ってやって欲しい。
俺が楽しめることと言ったら、嬉しそうな野山の顔の美しさを見ることぐらいだ。
……しかし、突然、楽しそうに語っていた野山の顔が固まった。
「ん?千鶴、今帰りか?」
声をかけたのは、秀麗な顔の男。
スーツを着こなし、眼鏡をつけたその姿は、まさにデキる社会人。
「……父……さん」
うぇぇ!?この人がおと、お父様ぁぁぁ!?
若い。若すぎる。見た目が超絶若い。お兄ちゃんの方が絶対納得いくから。
「君は、千鶴の友達かい?」
「え?は、はい。最近話すようになったばかりなんですが……」
「そうか。この子は人見知りが激しくてあまり友達ができなくてね。友達になってくれるなんてありがたいよ」
最初のコメントを投稿しよう!