天授十器

再会

「何故だ！？。何故院長先生を殺した？」

「…お前には関係無い事だ」

「はぁ？。理由があんなら喋れよ。
友達も居なかったお前にも優しくしてくれた院長先生だぞ。その大恩すらも忘れたのか？。この親殺しが！！」

ただの罵声としか言い様のない荒々しい言葉

本来ならそんなことにも決して動じない大人な男だが、たった一言、胸に突き刺さる言葉があった

゛親殺し゛

この言葉がキーワードとなり、一瞬アイズは戦意を喪い、隙を見せた

――隙が出来た！。今だ。

翼を使った超加速からの爪での連撃

我に返ったアイズは瞬時にバックステップしたが、胸元に痛みを覚えた

ローブの胸元には傷は浅いが５つの細長い傷があり、血が高そうな白いローブを徐々に染めている

――さっきクルスを青いって見下したばかりなのに、まさか俺が感情に身を委ねるとは……。
俺もまたまだって事か。

一瞬で冷静さを取り戻すと、追撃を仕掛けるクルスの攻撃を見切り、腹部にカウンターをかます

更に右肘→左膝→右足の順に三連撃を追加すると、クルスは後方に吹き飛ばされた

そして、追い討ちとして雷霆を放つが、それを見たクルスは右腕を歪な菱形状の盾に変換して防いだ。