再会

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言うまでもなく此方(こちら)も初見故、どんな技なのか皆目見当もつかないクリティバは金属を円盤状の盾に変え、防御に専念する 風の音と刃が絶え間無く吹き付けるが、金色の盾は全てを受け止めても、びくともしない 先程の好機を棒に振った事にクリティバは苦い顔をし、二度とそのような真似をせぬように、棍棒ではなく銛の形に戻し構える また三人を、戦い始める前の、緊張が張り詰められた暫しの静寂が包み込んだ 制限時間58秒 二人は会話を交わせず、目線のみで以心伝心すると、アイズはそのままポルトのみが走り出した 接近戦が得意なポルトを軸にアイズは中距離からサポート、攻撃をする形だ 三人は制限時間が3分の1を過ぎたことは知らないが、おおよその感でそれを把握し、ポルトとアイズは危機感を纏わせながら闘う ポルトの体術を主にアイズが針の穴を縫うような雷霆や他の能力を使うが、クリティバは変幻自在な金を使い見事に受け流す ルーナ、ユウリの二人を相手に圧倒的な体術で捩(ね)じ伏せたポルト 黒の派閥のトップに立つ8人の隊長の一人、そして天授十器の一つ・混沌の薙刀を持つヴィラを、荒野に這いつくばらせたアイズ 短い間とはいえ、この二人を相手にしても応戦しきれるクリティバの戦闘力は、王律騎士団の中でも指折りだと容易に推測出来る 飛行機も直ぐそこまで来ている 制限時間まで残り30秒を切った
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