再会

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「何時までも貴方の相手をしているわけには行かない。第七手・青龍」 足元から魔方陣が浮かび上がり、それから青い龍がうめき声をあげ、大きな羽を羽ばたきながら飛び出す 大きさは先程の龍より少し小さいが、その見るものを魅了する存在感、威圧感は少しも衰えていない 本当はクリティバも息を飲み、立ち尽くしたい衝動に駆(か)られるが、ポルトが手を抜く気を無いのでその衝動を押さえ込み戦いに集中する 「飛行機を墜落させろ。」 なにも馬鹿正直に飛行機を待つ必要など無い 此方(こちら)へ来る前に墜落させれば良いだけの話 人語を理解すると、さっそく青龍は飛行機に向かい火を吹くと、ドームの様な飛行機はそれを回避し、此方も赤い光線を反撃として放つ 避けられたそれは、斜め下に真っ直ぐ荒野に落ちると砂塵が舞う 真上から太陽が照り付ける中、様々な角度から青龍が火を吹くが避けられる 飛行機からの光線も同じく…… そんな進歩の無い展開に変化が生まれる 飛行機の屋根の上に一人の男が立っていた 吹き付ける暴風は彼の漆黒の様な黒い髪を強引に後ろへ持っていく 全身は黒い制服 右手には等身大の白を基調とした三ツ又の矛(ほこ) 差し色として少し螺旋状に入っている青いライン 発せられるのは神々しいオーラ 彼は体を動かさず太陽に近付くと、矛を振り上げ青龍の頭上へと向かう 気配に気付いた青龍は上を見ると、逆光でシルエットしか見えなかった
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