派閥最強の男

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皆がシルエット男に目を向けている為、誰も気付かぬまま飛行機は下降し、着陸の為に足を出し、エンジンは弱められていく 無事に着陸に成功すると、そのまま階段になるドアが開きその上を黒い制服を身に纏(まと)った女性が悠然と歩いていく 地上の者達もそちらへ目を向ける 彼女の名は第Ⅱ隊隊長ラプラ 右手にⅡの刻印を持った女性の容姿、佇まいは大和撫子を彷彿(ほうふつ)させるような和の雰囲気を持った女性だ 「まさか、あなた方だったとは……」 「お久しぶりですね。アイズ元副隊長。他の方々もお怪我はございませんか?」 彼女が癒されるような温かみのある言葉を発しながらアイズ達の元へ歩いていくと、シルエット男は地に降り立った 後ろへ持っていった肩の辺りまで伸びている髪 まるで機械のように温度や感情が感じられない目 渋味の効いた男らしい顔 それに似合ったガッチリとした体格が印象的な独特な雰囲気を持つ男だ 名はベレン 役職は第Ⅰ隊隊長兼、黒の派閥総隊長 アイズのかつての上司だった男だ 彼もアイズの元へ悠然と歩を進めながらラプラと短い会話を交わす 「ラプラ。負傷者の手当てを急げ。アイズは俺がやる」 「かしこまりました」 そしてベレンは矛を構え、臨戦体勢に入る
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