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第Ⅲ隊の二人は既に己の力で立ち上がれる程に回復していた
良く良く考えてみると確かに凄まじい能力だ
戦闘不能となった二人をものの十余分で回復させたのだから
天授十器と同等の力や神の力と賞賛されるのも頷(うなず)ける
そして最後にラプラはクルスの元へ走りだす
ユウリも負傷しているが命に別状はない為に後回しとなった
「零氣現象ですか。こればかりは自然治癒しかありませんね。直ぐに飛行機へ運びましょう」
悲哀に満ちた目の先には意識を失っても苦痛の表情をするクルス
ラプラはクリティバに「彼らを助けて頂きありがとうございました。女帝の側近・クリティバさん」と、言いながら一礼をし、クルスの首と膝の裏に手を回しそっと抱き上げ、反動が彼に響かぬようにそっと飛行機へと歩いた
ヴィラ、ルーナ、ユウリも命の恩人であるクリティバに礼をすると、「気にするな」と返事され、彼に背を向け歩き出した
それに倣(なら)いクリティバも背を向け歩き出す
暫くするとベレンが遠方からこちらへ戻って来た
死体や争った形跡が無いところからみて、逃げられたようだ
こうして白昼の荒野での戦いは幕を下ろした
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