派閥最強の男

7/20
前へ
/189ページ
次へ
ここは飛行機の一室 天井にはミニシャンデリアが部屋や置物を明るく照らす その真下にはふかふかのベットに横たわり、物思いに耽(ふけ)るヴィラの姿があった 内容は勿論先程の一戦の事 ――何故だ?何故アイズはクルスを殺さなかった? アイズと……ポルトって言ったか? あいつらは俺達三人を平気で殺そうとした。 それなのに何故アイズは零氣現象に陥ったクルスを絶好の機会だったのに殺さず、白檻に閉じ込めた? それにアイズは体術を使った。 あんな反則的な能力の持ち主なのにだ。 俺との一戦では使う素振りすら見せなかったのに……。 何故だ? 最初からクルスを殺す気は無かったのか? 今思えばクルスが一方的に攻撃をけしかけただけのような気がする それにアイズは俺から六星銃を奪い、混沌の薙刀を奪おうとした。 ヴィラは目線を天井から横に反らした 先には壁に立て掛けられた2つの剣があった そしてヴィラの思案は続く ――黒の派閥の任務に天授十器の探索が追加されたのは四年前。 丁度アイズが脱退した直後だった。 黒の派閥は入ったが最期、情報を漏らさない為、脱退はおろか辞める事すら許されない。 抜けたら派閥の力を総動員して探され、見付け次第抹殺される運命。 なのに何であいつは抜けた? 抜けたら毎日見付かる事にビクビク怯えながら暮らさなければならない。 何もメリットなど無い筈だ。
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

307人が本棚に入れています
本棚に追加