派閥最強の男

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黒の派閥本部を襲撃すれば間違いなく、俺やベレン総隊長とも戦う事になる。 そこで勝ちさえすれば一気に天授十器が2つ手に入るって寸法か? その為に仲間を集めている? いや、無理だ。 『王律騎士団の女帝』と『白き空賊の武帝』も天授十器を持ってる。 両方ともうちと同じ位の勢力を持つ組織。 うちと戦争する気ならば、必然的に2つの組織とも戦争をするという事になる。 いくらなんでもそれは無理だ。 流石にそれはないか。ただの杞憂かな。 でもあいつ……何で天授十器を集めるんだ? ……そこまでは流石に推測出来ないな。 とにかく、今俺に出来るのは強くなる事。 俺は何も出来なかった。 仲間のピンチも助けられない俺はクソッタレだ。 何が隊長だ。名折れしてやがる。 そしてもう一度、混沌の薙刀に目を移す ――俺にはこれしか無い。 混沌の薙刀の力を最大限に解放させるしかない。 先程の不可解な点の多い白昼の一戦 それはヴィラに大胆過ぎる仮説を与える要因となり、己の弱さをも与える要因となった そして誓う これから先、何が起きようとも仲間を守り抜ける位に強くなる事を 思案顔を終えたヴィラは長い睫毛(まつげ)のある目を閉じ、黒の派閥本部に到着するまで体をベットに委(ゆだ)ねた
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