派閥最強の男

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「しかし、その高い評価はそのまま我々への危険度となった。事態は深刻です。」 一番左の小さな眼鏡を掛けた小柄な男が続く 「テルの言う通りだプラタ。アイズは最早世界一危険な人物。他の任務とは重みが違う。それに、これだけの隊長、副隊長がいながらもボロボロにやられ、挙げ句の果てに逃げられた奴等を弁護するな」 最後に白髪の長髪、プラタの左隣の大男、元老帥のリーダーが口を開く 他の元老帥とは比べ物にならない圧迫感を持つ者の名はバイア 顔面の至る所に古傷がある、もうすぐ喜寿(きじゅ)を迎える男だ 「……すいませんでした」 どうやら同じ元老帥という立場であろうと縦社会はあるらしく、プラタは軽く頭を下げた そしてバイアは次にベレンに話を振る 「服に傷一つ無いところからすると、まともに戦っても無いようだな、ベレン。他の者達も弁明があるなら聞くが?」 まるでベースのような低い声がオーラに加わり、重くのし掛かると、ベレンが代表して返事を返す 「申し訳ありません。全ての責任は対峙しておきながら逃げられた私にあります」 「全くだ。お前とこれ以上話してもメリットは見出だせなそうだな」 早々にベレンとの対話を切り上げると、少しの間の後、元老帥から見て左から二番目のクルスに話し掛けた 「零氣現象に陥ったようだな、クルス。無様だな。感情を制御出来ないうちはアイズに勝つ事など永劫無いと思え」 この発言の直後、クルスはバイアを睨み付け、いきなり立ち上がるとなんと踵(きびす)を返し、エレベーターへと歩いていったのだ その突拍子も無い行動に皆の視線が注がれる中、クルスは開と書かれたスイッチを押し、エレベーターの中へと消えていった
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