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「……これは次の機会にしよう。課題だ」
暫(しばし)の静寂の後、バイアが口を開いた
自分からネタを降っておきながら全く身勝手な男だが、それを口にする者はおろか表情に出す者もいない
黒の派閥が体育会系な組織だからだ
ソファーに深くもたれかかったバイアの焦点は上の蛍光灯を向いており、そこに15才の、第Ⅰ隊副隊長の頃の、長い襟足の無いまだあどけなさが残った顔が浮かんだ
「……全くアイズの奴め。何を企んでいる」
反応する者は誰もいない
バイアの溜め息まじりの独り言は空気の一部と化した
そして、黒の派閥にとって大きな一日は静かに終わりを告げた
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