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フリアンはデセスがディエス一族の王族であることを知らない。
つまり彼が幼い頃から大地を操るべく、氣の使い方を熟知している事も知らないのだ。
導き出せない答えを得ようと頭をフル回転していると、デセスから声が聞こえてきた。
「フリアン。次の魔法教えてよ」
女の子みたいに透き通る高い声で我に帰ると、悟られない為に表情を無理矢理笑顔に変え、また別の基本魔法を教えた。
暫くすると他に誰もいない静かな公園からは詠唱や話し声は聞こえなくなった。
デセアドは仕事が、フリアンは学校があるため、切りが良いところで魔法講座は静かに終わった。
この日から朝は働き、皆で食事をし、可能な時はフリアンと二人で魔法を勉強する毎日を繰り返すデセアド。
そしていつの間にか3年の時が流れていた。
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