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これにはデセスも驚きの表情を隠せずにいた。
公園で初めて会ったあの日、寝顔を見られた瞬間からフリアンは一目惚れをしていたのだ。
「私も……いつも爽やかで、一生懸命で、皆に愛される様なデセスさんが好きです」
もう一度一陣の風が吹く。
その風は両思いだった二人を祝福するように盛大で、心地良かった。
そして、二人は親公認の恋人となった。
四人はアナログテレビのバラエティ番組そっちのけで談笑を堪能していた。
フリアンの学校の事、友達の事、他愛ない世間話など。
その内容は実に様々だ。
何時もと変わらない日常。
今日も平凡で平和な一日が過ぎるだろうと誰もが思った矢先、事件は起きた。
食事休憩を終え、何時ものようにフリアンとデセスが魔法を学ぶため公園を出ようとした時、チャイムが鳴った。
一番近くに居たおばちゃんが「ハイハイ」と言いながら早足で店の裏側にある扉を開くと、そこには180cmはあるだろうガタイの良い男が一人。
その後ろに三人の男性の姿も確認出来る。
「あの……何方(どなた)ですか?」
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