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男の5人は金髪をツインテールにした少女を襲っていたのだ。
残りの黒髪を後頭部の辺りで結んだ男が少女を庇うように前に立っていたが、5人組の一人、大柄な男にたった今殴り飛ばされた。
「きゃぁ!!」
筋肉質な男のパンチを直で見た少女は両腕で顔を覆い隠し、指の間から薄茶色の瞳を覗かせた。
その瞳にはボロボロになった男の後ろから此方へ走ってくるクルス達が映ると少女は叫んだ。
「お願いします!!そのお方を助けて下さい!!」
小さい体での必死の声。
それを聞き入れたユウリは男の元へ駆け寄り、手を貸し彼を起こし声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
女性にしては低めの声に男は呻き声を上げる。
古着の様にボロボロな無地の茶色いTシャツや淡いジーパンには血痕が付着しており、真っ白い肌は少し腫れ上がっている。
「俺よ……りもあ……の子を」
精一杯の掠れた声にユウリは眼鏡の奥の黒い瞳を三日月型にした。
「もう安心して下さい。あの方達が守ってくれますから」
その笑顔に安堵したのか男は幾分か和らいだ表情でクルス達のいる方向に顔を向けた。
そこには8人の男達が睨み合っていた。
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