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「お前ら五茫星だな」
中央に立つベレンが5人を睨み付けながら口を開いた。
その名に聞き覚えがあるみたいに驚いた表情をするアレゴレ。
「グハハハハ。俺らも有名になったもんじゃな」
先程男を殴り飛ばした筋肉質の男は、腰に手を当て豪快に笑っている。
裾を破ったかのような服はノースリーブスの様になっており、逞しい胸板や腹筋が露になっている。
「まさかここで黒の派閥に、しかも第Ⅰ隊の隊長に会うとはな。どうか見逃してくんねぇかな?俺は後ろのお嬢ちゃんに用があるんだが……」
五茫星の中心に立つ、目に掛かる程の金髪の男がタバコの煙を吐きながら口を開く。
鋭い眼光は人相を悪くしているがかなり整った顔をしている。
「退くと思うのか?」
金髪の男の挑発的な目付きに、変わらず絶対零度の瞳でベレンは返す。
そこにユウリも加わる。
「思わねぇよ。俺達殺りに来た部下返り討ちにしまくったからな」
男は片方の口端を軽く吊り上げるように笑った。
一触即発の緊張感が漂う中、ベレンがクルス達に言い放つ。
「こいつらは抹殺任務の対象になっている。心してかかれ」
その言葉にユウリとクルスは構えると、金髪男はタバコを投げ捨てた。
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