307人が本棚に入れています
本棚に追加
白いそれは煙を出しながら回転し、重力に従い地に落ちた。
それが合図になったかの様に7人がぶつかり合い、ユウリと五茫星の一人は後退する。
「現れよ。天鳥」
緑色の魔方陣から6つの羽を持った白い鳥が生まれると薄いベールを張り、突進してきた筋肉質の男からユウリを守った。
アイズの氣護壁と似たような薄い膜に、拳を打ち付けた男は苛立ちを露にする。
「てめぇも能力者か。つまんねぇなぁホント」
男は天鳥を見るといの一番に走りだし、距離を取った。
天鳥は黄色い嘴を開き、何かを溜めている。
『私の雷華(らいか)の危険性を瞬時に見切るなんて流石ですね。でも……』
汚れの無いような美声を発する天鳥から光線が一直線に男の背に放たれるが、男は寸前の所で避けた。
すかさずベールを解いた天鳥と共に男の元へ向かうユウリに、男は黒い顎髭(あごひげ)を擦りながら白い歯を見せ名乗った。
「俺の名はアレッズ。お前は?」
「私の名はユウリ。第Ⅶ隊副隊長ユウリ。」
゛第Ⅶ隊副隊長゛という言葉を聞いた途端、下の歯までも見える程に笑うアレッズ。
「グハハハハ。副隊長か。そりゃあ面白そうだ。」
見下した発言にユウリは眉を僅かに動かすとアレッズは更に続けた。
「楽しませてくれよ!!第Ⅶ隊副隊長さんよ!!」
最初のコメントを投稿しよう!