魂を売った男

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――総勢50の弾丸か。 余裕だな。 「悪魔化・第一形態・爪」 「死ねぇぇ!!!」 全ての銃口からクルスめがけ弾丸の嵐が襲いかかる。 銃弾の嵐によりクルスの周辺には砂埃(すなぼこり)が舞い、双方共に視界を失う。 標的を黙視できなくなったチンピラ達は様子を見るために手を止めた。 暫(しばら)くすると、視界を奪うそれがどんどん晴れていく。 「へへっ殺ったか?」 「誰をだ?」 「……なっ!?」 驚いたのは圧倒的な人数差で優位に立つ50人の男達だった。 クルスの体には傷1つ付いて無い。 しかし、驚いた理由はそれだけではない。 「なっ、なんで?いや、それよりその両手……!!」 クルスの両手は先程の小さな大砲の上半身とはうって変わり、黒く変色し爪が伸びていた。 「てめぇ、能力者だったのか!!!俺たちじゃ手に負えねぇ。 全員逃げろぉぉぉぉ」 「もう遅い」 エントランスに肉が切れ、骨が絶たれる音、そして耳を覆いたくなるような数々の断末魔が響き渡った。 気が付くとエントランスは辺り一面血の海と化す。 その中でただ一人……いや一匹返り血を浴びていない悪魔が立っていた。
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