五茫星との闘い

13/18
前へ
/189ページ
次へ
突進するアレゴレは漆黒丸を巧みに振り回す。 対するシオンもメスを器用に使い、隙あらば突きを繰り出す。 「1つ質問なのですが、結界内の酸素はどうなるのですか?」 「安心して下さい。この無空結界は酸素や二酸化炭素は防がない特殊な結界です」 突きを放ち、交わされたシオンは続けざまに口を開く。 「それよりも当たりとはどういう事ですか?貴方は相当強い自信があるのですか?」 シオンのメスを掻い潜ったアレゴレ。 「違います」 そのままアレゴレはブーツで肘目掛けて蹴りあげる。 蹴りの衝撃により右手のメスは後ろに手放され、地に落ちるとアレゴレは真っ直ぐにシオンを見つめ、口を開いた。 「クルス隊長やベレン隊長と戦えば貴方は無惨に敗北するでしょう。だからこそ私と戦って当たりなのです。」 真剣な表情で語るアレゴレにシオンは僅かに硬直した。 「ぷっ、アハハハハハ」 突然腹を抱えて笑い出すシオンにアレゴレは首を傾ける。 「ようするに貴方は弱いって事ですよね? だから私は外れだといったのです。ハハハハハハハ」 それを目の当たりにしたアレゴレは不敵に笑う。 「大丈夫ですよ。貴方よりは強いですから」
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

307人が本棚に入れています
本棚に追加