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―映像管理室―
幾つものモニターがある薄暗い部屋に三人のスーツを着た男が椅子に腰かけている。
その中の一人が眼前に無数に広がるボタンの内1つを押すと、近くのマイクに声を吹き掛けた。
「ボス、能力者です。どうされますか?」
暫しの静寂の後、小さなスピーカーから低音の声で返事が返ってきた。
「……あぁ、分かってる。おもしれぇ。扉を開けてやれ」
「かしこまりました」
男は通話をOFFにし手慣れた感じで文字を入力すると、画面に文字が羅列し少しすると『ロック解除』という文字が浮かび上がる。
―エントランス―
2つの螺旋階段の中間にある扉から鍵が開けられる音がした。
――そこか。
クルスは一心不乱に扉に向かい歩き、扉を開けると人二人分くらいが通れそうな螺旋状の階段があった。
左右の壁もレンガ造りでそこに等間隔に灯火が着いており、螺旋階段を2~3週降りると前方にこの豪邸に似合うドアが一つ。
ゆっくりとドアノブを回すと、慎重でいた自分が馬鹿馬鹿しいくらい何事もなく開いた。
――まぁあっちが呼び出したんだ。開いて当然か。
扉を開くと一人の巨大な男が、これまた巨大な椅子に悠然と腰掛けていた。
背後には10個くらいのモニターがある。
身長は2m近くあるだろう。体重も100kg以上ありそうだ。
ラインが入った丸坊主の頭に、鋭く細い一重の目。
見るからに強面タイプの男だ。
「あんたがここのボスか?」
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