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「黒の派閥!!へぇそりゃ驚いた。超極上な獲物じゃねぇか。料理のしがいがあるってもんたぜ」
――完全に天狗になってやがるな。
まっ、良いストレスの発散になりそうだ。
「来いよおっさん。格の違いってのを思い知らせてやる」
「調子に乗ってんじゃねぇぞこぞぉぉ」
完全に見下した発言にブチッと血管がぶちギレた音が数回すると、ベルモンテは連続でかまいたちを繰り出す。
「悪魔化・第一形態・爪」
先程と同じ悪魔の様な両手が現れ、クルスは足を動かさず両指を奇妙に動かす。
すると不思議なことにかまいたちはまた壁に傷跡を残し消え去った。
――なっ!かまいたちが逸れた?
何故だ?
「不思議そうな顔してんな。切っ先を変えたんだよ」
「バカなっ。見えないかまいたちだぞ!」
「簡単な事だ。あんたは右で三発、左で二発のかまいたちを放った。その時の腕の動きでかまいたちがどんな角度で何処に向かい飛んでくるのかが分かる。
で、最初の単体のかまいたちであんたの居たところから壁までの距離、手を振ってから壁にかまいたちがぶつかるまでの時間を計算すると、見えなくてもかまいたちが何処にあるのかがだいたい分かる。
俺はかまいたちに合わせて爪で切っ先を変えればいい。どうだ?理解で出来たか?」
長々と説明した後、嫌味ったらしく爪の先端で頭を数回叩くクルス。
『単細胞なお前にも理解出来たか?』と天狗の鼻をへし折るように……。
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