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「殺す」
ベルモンテは血管を顔や腕に浮かべながら今度は両手を振り上げた。
――またかまいたちか?。いや、違うな。
さっきは指を揃えていたのに今は丸めて広げている。さっきの挑発に乗って大技を繰り出す気だな。
ホント単細胞だ。
こんな扱いやすいやつはいない。まだ、人形の方が扱いずらそうだ。
ベルモンテは先程のかまいたちよりも大幅に力を込めている。
込めた力の矛先をコンクリート製の地面に向けると、降り下ろした両手が地面を割っていく。
――次は地割れか。
取りあえず空中に飛んで安定した足場を見つけなきゃな。
クルスは足に力を込めてジャンプしようとした瞬間、ある疑問がクルスの頭に浮かび上がり急停止した。
――攻撃が単調過ぎるし、あんな遠くで足場を奪ってもたいしてメリットなんか無い。
俺が空中に飛んで避けるのを待ってる?それとも、ただの杞憂か?
まぁどっちでもいいか。仮に俺の予感が当たってたとしても第二形態を使えば簡単に避けられる。
まぁこんな雑魚に第二形態は使うまでもないか。いくらでも対処方法はあるし。ここはあいつの作戦にのってみるか。
クルスは決意し今度こそ高くジャンプした。
――さぁ、どうでる?
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