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クルスが高くジャンプした瞬間、ベルモンテは不気味な笑みを浮かべていた。
ベルモンテは前屈姿勢になり、その倍加した巨体からは信じられない猛スピードで飛んでくるがしかし、クルスは顔色一つ変えたりしない。
「かかったなぁ。俺は元来接近戦タイプなんだよ。安心しろ。この巨大な腕のパンチだ。苦痛はない一瞬で終わる」
得意気に語るベルモンテを更に冷めた目で見つめるクルス。
そして心の中で毒づいた。
――バカが。
確かに俺も空中で身動きはとれねぇが、俺めがけて飛んでくるお前も身動き取れないんだよ。
「終わりだ」
クルスは右腕を振り上げ思いっきり降り下ろすと僅かに空気を切る音が聞こえた。
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