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「ア……アイズ?し……知らない。やっ……やめてくれ。俺には……」
殺意を向け、今にも首を跳ねようとしていた突如、クルスの左耳のイヤホンが鳴り始めた。
ユウリからの通信だ。
「何だ?」
『ユウリです。鼠たちに全て探させましたが、天授十器らしきものは何処にも見当たりません』
「あぁ、そういえば報告すんのを忘れてた。その件だがここのボスが流したデマらしい。
本部に報告を頼む。
それから飛行機を呼んどいてくれ。
これでこの一件は終りだ」
『かしこまりました』
通信を終えるとクルスは氷より冷たそうな瞳をベルモンテに戻した。
「さて、話を遮って悪かったな。……で?」
「やめて……ください。
俺……には一人……の子供がい……るんだ。
お……お願い…しま…す」
「知るかよ。んなこと」
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