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――クルス――
クルスは自分の使っている寝室の扉を閉め、後頭部に両手を重ねながら仰向けになり目を閉じた。
――俺が黒の派閥に入って約四年。
未だにあいつの音沙汰は全くない。
これじゃ黒の派閥に入った意味がないな。
こんな意味のないことを繰り返して何になるんだ?
天授十器の探索?
危険人物の抹殺?
そんなことどうでもいい。
早くあいつに会わせろ。
早くあいつを殺させろ。
いつまでも枯渇することの無いこの憎しみから解放してくれ。
止めどなく流れる復讐という感情を自制心で抑えられず、クルスは終始眠れずにイライラしていた。
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